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どうしてなのかと
なげく声が
響いたのは朝の丘でのできごと
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赤子をかかえる母親は
祈るようにして天をまなざす
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何のために 産み落とされ
何のために 還っていくのか
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行き止まりをもたない問いの行く末は
大河をさまよう魚に似ている
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宛てなく泳ぐ銀色の鱗
反射する遥かなひかり
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たどり着くことではなく
照らし出すことにこそ
意味があるのなら
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舟を漕ぎ出してみようと思う
空と海の青を分かつ
無限の白線のなかへと
わたしに託されたひかりを
たしかめるために
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気づけば丘は夕暮れで
真新しい墓標の横
赤子は木陰で寝息を立てる
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振り返ることなく
潮の鳴る方へと踏み出した
母親の影は 翼に似ていた
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こんにちは。まないです。
5月が終わり、しっとりとした6月が始まりましたね。
あなたにとって、5月はどんな一ヶ月でしたか?
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僕にとっては、一生の記憶に刻まれるであろう「終わりの季節」でした。
4年を共にしたパートナーと別れ、同棲していた沖縄のお家を後にして。
今はマンスリーに仮住まいしながら、本住まいのお家を探しているところです。
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この「終わり」は、どんな「はじまり」に向かっているのだろう。
そんな問いを温めながら、今は静かに「終わり」を味わっています。
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そんななかでどうにも詩を書く気持ちになれなかったのですが、
この otosata のために書こうと決めたのが2日前。
不思議なもので、筆を取る前は「書けない」と思っていたのだけど、
あなたに向けて「書く」と決めたら、今回の詩のような心象風景が
立ち上がってきました。
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ぼくにも、あなたにも、
一人ひとりの人生に、託されている「問い」があるのだと思います。
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その「問い」に答えを出すことが大事なのではなく、
その「問い」を生きることで放たれるひかりにこそ、本質があるのではないか。
そんな想いが、詩を書きながら湧いてきました。
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あなたは今、どんな「問い」を生きていますか?
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来月もここで、お会いしましょう。
あなたの今日が、美しい一日になりますように。
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― まないより
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p.s.